Fusion360、更新でポスト処理が変わった?デフォルトになった「NCプログラム」機能を説明します

Fusion360、更新でポスト処理が変わった?デフォルトになった「NCプログラム」機能を説明します

2021/08/24付近の更新からかな?
「アクション」>「ポスト処理」で出てくる、ダイアログが変わったみたいですね。
「NCプログラム作成」がデフォルトになったようです。
ちょっと戸惑ったのと、「NCプログラム」意外と便利なので、説明したいと思います。
後半では、ポストファイルをネットワークフォルダで共有する方法も解説しています。

ポスト処理ダイアログが変わった

以前はこんなダイアログでした。

先日気が付いたのですが、「ポスト処理」を押すと、こんな感じに変わっています。

実はこれ以前から「設定」⇒「NCプログラムを作成」の画面です。

ポスト処理の設定で、以前のダイアログでの設定から、こちらがデフォルトになったようです。
「NCプログラム」を使っていなかった方はダイアログの変更程度かもしれませんが、
「NCプログラム」機能は意外と便利ですのでもう少し詳しく説明します。

NCプログラム

複数のセットアップ(工程)をグループ分けしたり、複数のポストを使う場合に便利です
NCプログラムの画面を見てみましょう

「設定」タグで、使用ポストやNCの出力フォルダなどが設定できます。
「操作」タグで、この「NCプログラム」に処理させたい、セットアップ(工程)を選択します。
以前の「ポスト処理」では、ポストや工程を分割したい場合には、分割数だけその処理を行う必要がありましたが「NCプログラム」を利用して複数作成しておくと一度に複数のNCデータを作成してくれます。

こんな時に便利

・NCデータと加工手順書を同時に出力したい。
 筆者は加工手順書もポストで作成しています。
 要するに、機械が一種類の場合でも、常に2個のポストが必要なので2回の「ポスト処理」作業が必要でした。

・複数の機械用でデータを作成したい場合。
 多種類の機械がある場合で加工機械が決まっていない場合、とりあえず数種類のNCデータを出しておきます

・加工工程(セットアップ)を分割したい場合
 荒と仕上げとか、裏・表とか、Fusion360では一気に作りますが、NCデータは分割したい場合があります

・工程によって、機械(ポスト)を変更したい場合。
 荒加工は機械A、仕上げは機械Bのような、上記2点の複合的な場合ですね。

・出力フォルダを変更したい場合。
 少ないケースかもしれませんが、複数個所のフォルダにNCデータを作成したい場合や、複数工程で出力フォルダを変えたい場合など。

・個人ライセンスで、複数工程(工具)のデータを一気に出力したい。
 これはあまりお勧めではありませんが、一回のポスト処理では一個の工具しかできませんが「NCプログラム」を複数作成すれば、とりあえず一気に出力できます。

設定方法

設定は、「設定」と「操作」タブで行います。

「設定」タブでの設定は、以前のダイアログとほとんど同じです。
使用ポスト設定やプログラム名、ポストのプロパティの設定などを行います。
ただ、プロパティ設定が、グループ分けされていて、以前よりも設定しやすいように思います。
プロパティグループは、別記事でも紹介していますので 興味ある方は覗いてみてください

「操作」タブは、NCデータ化したい対象のセクション(工程)を選択します。

この二つのタブで、複数のポストと複数のセクション(工程)の組み合わせでNCデータが作成できます。

「NCプログラム作成」と「ポスト処理」

「NCプログラム」を作成するには、「設定」⇒「NCプログラムを作成」で作成できます。

この方法で、必要な種類の「NCプログラム」を作成します。
「アクション」⇒「ポスト処理」のアイコンを押しても「NCプログラム」が作成されます。
さらに押すと、追加されます。
タスクバーの「ポスト処理」ボタンではブラウザに勝手に「NCプログラム」が作られるだけなので、
ちょっと戸惑ってしまいますね。
最終的にポストでNCデータを作成するには、ブラウザから作成したい設定の「NCプログラム」を選択後、「ポスト処理」アイコンで実行します。

ツリーの親を選択すると、その下のすべてを実行して、複数のNCを作成してくれます。

個人ライセンスで試してみましょう

個人ライセンスの場合、複数の工具を使用したNCデータは作成する事ができません。

もちろん、今までも単独で何回も処理すれば単体では作成できましたが、セクションの編集など行った場合、再度処理する必要があり面倒だったと思います。
「NCプログラム」を使用すれば、一回の実行で、複数個のNCデータを一気に作成してくれます。
セクション一個につき、「NCプログラム」も一個用意し、「操作」では、一個ずつセクションのみ選択します。

プログラムの「名前/番号」も変更します。

親の「NCプログラム」を選択し、「ポスト処理」を実行すれば、5個のNCデータを一気に作成してくれました

もちろん、個人ライセンスでは、早送りの制限もあり、実際の加工に使うには無理がありますが、
ポストプロセッサの改造で早送り処理を変更し、サブプログラム化にすれば、使用できるかもしれません。
まぁ、工作機械への利用は、商用ライセンスをお勧めします。

LAN上の共有フォルダでポストファイルを共有する

ポストファイルを数人で管理している場合、LAN上の共有フォルダを利用すると便利です。
以前のポスト処理ダイアログでは、「ポストコンフィグ」で共有フォルダを設定できました。
まずは、以前の「ポスト処理」で確認してみましょう。

以前のポスト処理に戻す

今回の更新で、複数のポスト処理を行いたい場合は便利になりそうですが、一種類の処理で間に合う場合には逆に面倒になりますね。
場合によっては、今後の更新で使用できなくなるかもしれませんが、現状では戻せるようです。

Fusion360 画面の右上のログイン名アイコンからの「基本設定」で設定可能です。

「基本設定」⇒「プレビュー機能」⇒「製造」⇒
  「Post Process NC code with legacy post processing dialog」

にチェックすると、以前の「ポスト処理」にもどります

旧「ポスト処理」でネットワークフォルダを共有

旧「ポスト処理」のダイアログでは、「コンフィグフォルダ」の「…」ボタンで、ネットワークフォルダを設定できます。

この設定で、メンバーでネットワーク上のポストファイルを共有できます。
複数人でポストを利用している場合には便利です。

「NCプログラム」でネットワークフォルダを共有

「NCプログラム」でも、「ポスト」の「…」ボタンから設定できます。

「リンク済み」右ボタン、「フォルダをリンク」から、ネットワークフォルダを設定可能です。
ここで、設定できたはずなので実際にポストを実行してみると・・・・あれっ?

なぜか、エラーが発生してしまいました。

ローカルフォルダとネットワークフォルダ

Windows の場合、ローカルフォルダとネットワークフォルダでは、形式が違います。
ローカルフォルダは、「ドライブ:¥フォルダ名1¥フォルダ名2・・」の形式ですが
ネットワークフォルダは、 「¥¥フォルダ名1¥フォルダ名2・・」の形式です。
この「 ドライブ:¥ 」と「 ¥¥ 」の違いが影響しているのでしょうか?
いずれにしても、旧「ポスト処理」では設定できたので、改善を期待します。
とは言っても、いつ改善してくれるかわかりません。
現状でできる事を考えてみます。

ネットワークドライブの割り当て

ネットワークフォルダ形式(¥¥フォルダ名)に対応していないのであれば、
「ネットワークドライブの割り当て」で認識してくれるかもしれません。

エクスプローラのネットワークから、対象のネットワークフォルダを右クリック
ネットワークドライブからドライブを割り当てできます。
ドライブ名は、プルダウンから選択できます。
割り当てが完了したら、「ネットワークドライブの共有」で説明した「フォルダをリンク」で
そのドライブを設定します。
私の環境では、正常にNCデータが作成されました。

シンボリックリンク

別の方法として、こちらのサイトでも解説している「シンボリックリンク」も使えるかもしれません。
工具共有説明のサイトではうまくいきませんでしたが、今回も試してみたいと思います。
「シンボリックリンク」は、別の場所のフォルダへのリンクが書かれたショートカットファイルではなく、
別の場所にあるディレクトリを、いかにも自分のディスクにあるように見せる機能です。
Fusion360のポストがでデフォルトで参照するフォルダは

C:\Users\「ユーザー名」\AppData\Roaming\Autodesk\Fusion 360 CAM\Posts

です。
この「Posts」フォルダが存在すれば、その中から「.cps」ファイルを探します。
「NCプログラム」の「ポストライブラリ」には「インポート」がありますが、

「インポート」は選択したポストファイルを上記のデフォルトフォルダへコピーするだけなので、共有ポストが変更された場合でも反映されません。
このデフォルトフォルダは、ローカル(自分のハードディスク内)なので、他のPCとの共有はできません。
しかし今回は、「シンボリックリンク」により、ネット上の共有フォルダを、
このデフォルトフォルダへ見せかけ、Fusion360ポストへは、ローカルだと思わせる事で、他のメンバーとも共有が可能にするのが狙いです。
ただし、 Fusion360ポスト がネット上の共有フォルダをローカルだと騙されてくれないと、この方法は使いない事になります。
それでは、やってみましょう!
「シンボリックリンク」はWindows のコマンドの一つなので、怪しいコマンドではありません。
「MKLINK」というコマンドなので、このコマンドを「コマンドプロンプト」から実行するか
「BAT」ファイルを作成、そのファイルを実行する事で実現できます。
具体的には、メモ帳やエディタなどで、下記テキストを書き込み、「.bat」の拡張子で保存します
「\\server2\Share\Posts」は、共有フォルダ名なので、適宜変更してください。

mklink /D C:\Users\%username%\AppData\Roaming\Autodesk\"Fusion 360 CAM"\Posts   \\server2\Share\Posts
pause

完成したら、そのバッチファイルを右ボタンから「管理者として実行」します。
「・・・シンボリックが作成されました」と表示されれば、完了です。

ポストライブラリからは「ローカル」として参照されているのがわかります。
私の環境では、無事にNCデータが作成されました。

まとめ

2021/08/24日あたりの、更新でFusion360 CAMの「ポスト処理」の動作が変更になったようです。
以前の「ポスト処理」ダイアログが表示される代わりに、「NCプログラム」の機能に登録する形式になりました。
「NCプログラム」自体は以前からありましたが、複数のポストを使用しない方には無縁だったかもしれません。
以前のダイアログに戻す事も可能ですが、意外と便利な機能でもあるので興味ある方は試してみてください。
また、ネットワークの共有フォルダの利用方法も解説しました。

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