Fusion360 CAMでマシニング/工具共有

Fusion360 CAMでマシニング/工具共有

作成した工具情報の再利用

一度登録した工具や類似の工具は、再利用したいですね。
Fusion360の工具登録の仕組みを紹介します。
またちょっとマニアックですが、LAN上の工具ライブラリを、メンバー同士で共有する方法も紹介します。

★重要
下記に、シンボリックリンクでメンバー共有する方法を紹介していますが
2020/04/14 の更新で、使用できなくなってしまいました。
シンボリックリンクは、これに限らず便利なコマンドなので、この記事は残しておきますが、Fusion360の工具ライブラリでは現在のところ使用不可なので、ご了承ください。
代わりの方法として、あまりかっこよくないですが、サーバー上の工具ライブラリをローカルにコピー後、Fusion360を起動するバッチファイルを作成しました。この記事の後半に覚書として残しておきます。

別のモデルの工具を共有

「ドキュメント」に登録した工具は、モデルデータと紐づけされているみたいなので、その「ドキュメント(モデル)」でしか使用できません。
ただ「ドキュメント」に登録した場合でも、一つのFusion360内で開いているモデルどうしであれば、工具はお互いにコピーして使用可能です。
「工具ライブラリ」を開くと、起動している「ドキュメント」が表示されています。この状態であれば、お互いにコピペが可能です。
Fusion360は、複数ウィンドウで起動する事が可能ですが、別ウィンドウで起動しているドキュメントの工具は参照できません。
類似の製品がある場合には、同じウィンドウで開くことで工具の共有ができます。

Local Library

「ドキュメント」に登録した工具は、起動している同じウィンドウのFusion360上のドキュメント間でしか共有できませんが、 最初から再利用が考えられる汎用的な工具の場合は、工具ライブラリの「Local」⇒「Library」 に登録しておけば別のモデルからでも使用できます
ここに登録したデータは、Fusion360を起動した直後でも、「工具ライブラリ」を開くと、使用できる状態になっています。
「Local」⇒「Library」に登録した場合データは、
C:\Users\「ユーザー」\AppData\Roaming\Autodesk\CAM360\libraries\Local
フォルダ内の「Library.json」というファイルに書き込まれます。
このファイルはテキストファイルなので、エディタなどで見ることができます。
下記が何も登録していない状態のファイルです。

{
   "data": [
   ],
   "version": 1
} 

ここで試しに工具を登録後、「 Library.json 」をエディタなどで開いてみると、かなり沢山の情報が書き込まれているのが分かります。
次にこの「 Library.json 」ファイルを削除してみます。
「Local」の下の「Library」が消えてしまいました。
工具を作成したくても、出来なくなってしまいました。
でも大丈夫です。
「Local」上を右クリックで、「新規工具ライブラリ」で「工具ライブラリ」を作成できます。

この作業で「新規ライブラリ」が作成され、その中には、新規工具が作成できるようになりました。ここで
C:\Users\「ユーザー」\AppData\Roaming\Autodesk\CAM360\libraries\Local
を覗いてみると、「新規ライブラリ.json」 ファイルが作成されています。
「Local」フォルダ内で新規工具ライブラリを作成すると、「Local」フォルダ内の「.json」ファイルに工具情報が記録されるみたいです。
したがって、この「.json」ファイルを直接、複写する事も可能です。
この「.json」ファイルを、ネットワークサーバーやUSBやメールなどで共有する事は可能です。
ただし、この「.json」ファイルは、フォルダ構造は登録できないようです。
実際の切削加工では、工具メーカー、工具形状、工具の特徴などかなりの種類の工具を使用します。
整理するためにも、もう少し、階層構造で管理できないでしょうか?
「CAM工具ライブラリ」ダイアログボックスでは無理でしたが、手動でフォルダを作成する事で階層になる事を見つけました。
具体的には、
C:\Users\「ユーザー」\AppData\Roaming\Autodesk\CAM360\libraries\Local
の中に、エクスプローラで手動でフォルダを作成すれば、 「CAM工具ライブラリ」 も階層構造で運用できます。
例えば、「ユニオンツール」「日進工具」「OSG」と工具メーカー名のフォルダを作成すると、「工具ライブラリ」⇒「Local」の下に、各工具メーカーがぶら下がります。
この、「工具メーカー」を「右クリック」⇒「新規工具ライブラリ」で工具グループを作成できます。
たとえば、ここに「被削材」などのグループにすれば、「工具メーカー」⇒「被削材」のような管理ができます。

工具メーカーごとに被削材でグループ分けされ、工具メーカーで管理したい場合には、検索しやすくなると思います
ただし、この状態では「被削材」の下には、グループは作成できません。
さらに深いツリーにしたい場合には、エクスプローラーから手動でフォルダを作成する事でさらに階層化する事ができます

メンバー間で共有

上の「Local」「 Library」に登録する方法では、一つのアカウントで複数の「ドキュメント(モデル)」を扱う上では有効ですが、会社など複数のアカウントでの共有はできません。
クラウドで共有する事もできるみたいですが、これは、一度「Autodesk」のWebへアクセスして、「.json」ファイルをダウンロードする方法のようなので、今回やりたい事とはちょっと違います。
  ★kantokuさんより、情報をいただきました。
  最近では、「クラウド」でも「Local」と同様に操作ができるようです。
希望としては、ネットワーク上の共有フォルダに、工具ライブラリを登録しておいて、メンバー間で工具の追加・削除・編集などをしたいと言うことです。

Windows ショートカットではダメ!

上にも書いたように、
C:\Users\「ユーザー」\AppData\Roaming\Autodesk\CAM360\libraries\Local
の中に、エクスプローラで手動でフォルダを作成すれば、 「CAM工具ライブラリ」 で利用できるようになります。
それでは、LAN上にメンバーで共有できるフォルダを作成し、そこへのリンクファイルを上記の
C:\Users\「ユーザー」\AppData\Roaming\Autodesk\CAM360\libraries\Localへ置いたらどうでしょうか?

Windows で通常にリンクを作ると、 ショートカットになります。ショートカットを「libraries」フォルダへおくと、「工具ライブラリ」でも見えるようになりますが、正常には認識しません。

やはり、実体は「ファイルフォルダ」でないとダメなようです。

シンボリックリンク

Unix系」には、別の場所にあるディレクトリを、いかにも自分のディスクにあるように見せる機能として、「シンボリックリンク」と言う方法があります。
以前は、Windowsにはこの機能はありませんでしたが、vista 以降から使えるようになったみたいです。
検索すると、結構ヒットしました。
MKLINK」と言うコマンドです。
「windowsキー」⇒「cmd」でコマンドプロンプトを起動して、「mklink」コマンドを実行してみましょう。
使用方法のヘルプが表示されます。

C:\Users\hogehoge\mklink

シンボリック リンクを作成します。
MKLINK [[/D] | [/H] | [/J]] リンク ターゲット
    /D ディレクトリのシンボリック リンクを作成します。既定ではファイルのシンボリック リンクが作成されます。 
    /H シンボリック リンクではなく、ハード リンクを作成します。 
    /J ディレクトリ ジャンクションを作成します。リンク 新しいシンボリック リンク名を指定します。 
       ターゲット 新しいリンクが参照するパス (相対または絶対)を指定します。

「MKLINK」「/D」「 リンク」「ターゲット」となっています。
「リンク」は「作りたい場所」。「ターゲット」は「実態の場所」です。
今回「作りたい場所」は
C:\Users\「ユーザー」\AppData\Roaming\Autodesk\CAM360\libraries\Local
の下に「ToolData」というフォルダ名のフォルダを作成します。
「ターゲット」は、LAN上の共有フォルダ、\\SERVER2\Share
の「ToolData」フォルダとします。
このコマンドを直接「コマンドプロンプト」で実行してもいいですが、かなり長いですから、「BAT」ファイルを作成おくと便利です。

Link.batファイル

MKLINK /D C:\Users\「ユーザ名」\AppData\Roaming\Autodesk\CAM360\libraries\Local\ToolData     \\server2\Share\ToolData
PAUSE

この「BAT」ファイルは、windows上で、クリックすれば実行されます。
最後に「PAUSE」コマンドを入れておくと、正常に終了できたか、確認できます。
ところが、「この操作を実行するための十分な特権がありません。」で実行できない場合があります。

この場合には、「BATファイル」を右クリックで「管理者として実行」を選択します。
今度は問題なければ正常に終了すると思います

「作りたい場所」を開いて確認してみます。
先ほど作成したショートカットと見た目も名前も同じリンクフォルダがもう一つ作成されていのが確認できます。
名前は同じですが、既存のものの種類は「ショートカット」で今回作成されたものは「ファイルフォルダ」となり、実際に手動で作成した別のフォルダと同じカテゴリになっています。
次にFusion360で「工具ライブラリ」を開いてみると、同様に2個の「ToolData」という同じ名前のライブラリがあります。

ところが、一つの「ToolData」には、「新規ライブラリ」が作成できましたが、もう一つの「ToolData」には、作成に失敗してしまいます。
失敗したほうが、「ショートカット」のほうですね。
シンボリックリンクで作成したほうは「ファイルフォルダ」で新しい工具を登録できます。
この「BAT」ファイルの「ユーザー名」を変更したファイルを利用して、メンバー全員のPCで実行すれば、全員が同じ工具ライブラリフォルダにアクセスできます。
これで、LAN上の共有フォルダを使用可能になりました。
ショートカットもシンボリックリンクも不要になったら、直接削除して問題ありません。結局はリンクなので、元データには影響はありません。
これで、サーバー上の共有フォルダを、LAN上のメンバーで共有する事ができるようになりました。
さらに、サーバー上の共有フォルダ内に、手動で新しいフォルダを追加すれば、「工具ライブラリ」でもツリーで表示され、階層で管理できます。

排他処理ができない

だいたい希望の処理ができましたが、この方法の欠点としては「排他処理」ができません。
もし、複数の人が同じ工具を編集した場合、最後に保存した人のデータになってしまいます。
したがって、共有フォルダのライブラリの工具は、作業に長い時間をかけないほうが賢明です。
新しい工具の登録や編集の一つの方法としては、類似工具を、共有フォルダから自分のライブラリへコピーし、その工具を編集した後、新しい工具であれば名前を変更し、再度共有フォルダ側へコピーします。
こうする事で、編集作業は、自分のライブラリ上で行う事になり、共有フォルダへのアクセスは最小限になります。

まとめ

個人使用であれば、共有作業はそれほど必要ないかもしれませんが、会社で数人のメンバーで使用する場合には、すでに作成され実績のある工具条件は使用できたほうが便利です。
新しい工具を作成した際、この方法で共有処理をしておくことで、作業するほどにデータベースが出来上がり、CAM作業が徐々に楽になっていくと思います。
もしかすると、Autodeak側もそんな事感じているのかな?
近いうちに、工具ライブラリも進化するみたいですね。
新しい「工具ライブラリ」になると、「シンボリックリンク」は不要になるかもしれませんが
「シンボリックリンク」は、Unix系ではなくてはならないコマンドです。
覚えておいて損はないと思います。

2020/04/14 の更新により、シンボリックリンクが使用できなくなりました

このページの最初に書いていますが、シンボリックリンクが使用できなくなりました。
LAN上のデータを共有できるので重宝していたのですが、残念です。
いろいろ検討しましたが、やはりLAN上での共有はしたいので、あまりかっこよくないですが、Fusion360を起動する前に、LAN上の工具ライブラリをコピーして、起動する事にしました。
また、終了時には、もしローカルの工具ライブラリを編集した場合には、再度サーバーへ再コピーして同期をとる方法としました。

Fusion360 起動バッチファイル

このバッチファイルは、「where」コマンドで、「Fusion360.exe」の場所を検索し、「robocopy」コマンドで、サーバー上の工具ライブラリフォルダを、ローカルへコピー後、「Fusion360」を起動します
このスタート用バッチは適当な場所に「Fusion360Start.bat」の名前で作成します。
Windows用のバッチファイルなので、クリックで起動します。
起動すると下記ファイル内「set Server=」で指定」されているフォルダを、Fusion360の標準工具ライブライ位置へコピー後、Fusion360を起動します

ファイル名
------- Fusion360Start.bat -------

@echo off
@echo.
set /P MSG=" Fusion360 を起動します "
set ID=%USERNAME%
set Cmd="where /R C:\Users\%ID%\AppData\Local\Autodesk\webdeploy\production Fusion360.exe"
FOR /F %%i in ('%Cmd%') do set Fusion=%%i
set ToolFolder=ToolData
set Server=\SERVER2\Share\%ToolFolder%
set Local=C:\Users\%ID%\AppData\Roaming\Autodesk\CAM360\libraries\Local\%ToolFolder%
robocopy %Server% %Local% /mir
%Fusion%
cls
set /P MSG="工具ライブラリを変更しましたか? Y/N : "
if %MSG%==Y start Fusion360End.bat
if %MSG%==y start Fusion360End.bat

Fusion360終了時バッチファイル

終了用のバッチファイルは、スタート用バッチ「Fusion360Start.bat」と同じフォルダの中に「Fusion360End.bat」という名前で保存します。
上のバッチファイルで起動した、「Fusion360」を終了する時に、
「工具ライブラリを変更したか?」のメッセージを出力し
変更したのであれば、このバッチファイルが動きだします。
このバッチファイルは、変更したローカル上の「工具ライブラリ」をサーバー上へ同期コピーし、終了します。

ファイル名
------- Fusion360End.bat -------


@echo off
set ID=%USERNAME%
set ToolFolder=ToolData
set Server=\\SERVER2\Share\%ToolFolder%
Local=C:\Users\%ID%\AppData\Roaming\Autodesk\CAM360\libraries\Local\%ToolFolder%
robocopy %Local% %Server% /mir
cls
@echo.
set /P MSG=" 工具ライブラリをアップしました "
exit

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