前回までで、「Docker Engine」の設定は完了しています。
今回は、「Docker」で「Dify」を起動させサーバー化が目的です。
実現するにあたって、かなりAIに助けてもらったので、そのやり取りも紹介しています。
Difyをクローン化
gitの確認
difyをクローン化するのに、「git」を利用するので、「git」のインストール状況を確認します。
windows ターミナルを開き、wsl を起動し、「git -v」で状況を確認します。
PS C:\Users\hogehoge2> wsl
$ git -v
git version 2.43.0
インストールされていない場合には、インストール
$ sudo apt update
$ sudo apt install git
Gitでdifyをクローン化する
「git clone ・・」でクローン化を実行すると、カレントディレクト下「dify」ディレクトリへソースコードがクローン化されます。
windowsターミナルで、「wsl」を実行し、ubuntu環境へ入ると、デフォルトでは、winndowsユーザーのディレクトリへセットされた状態で起動します。
好みの問題だと思いますが、この場所へ「dify」環境を作成してもいいと思いますが、筆者はubuntuのユーザーホームディレクトリ下に作成しようと思います。
wsl、ubuntuプロンプトで、「cd」を実行すると、ユーザーのホームディレクトリへ移動します。
その場所で「git clone・・」すると、そのディレクトリ直下に「dify」さらにその下に「docker」ディレクトリが作成されています。
「ls」コマンドで確認できます。
「dify/docker」ディレクトリへ「cd」コマンドで移動しておきます。
「pwd」コマンドで、現在のディレクトリが確認できます。
hogehoge2@hoge-PC:/mnt/c/Users/hogehoge2$
$ cd
$ git clone https://github.com/langgenius/dify.git
Cloning into 'dify'...
remote: Enumerating objects: 153846, done.
remote: Counting objects: 100% (536/536), done.
remote: Compressing objects: 100% (359/359), done.
remote: Total 153846 (delta 396), reused 178 (delta 177), pack-reused 153310 (from 3)
Receiving objects: 100% (153846/153846), 87.73 MiB | 5.07 MiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (111131/111131), done.
$ ls
dify
$ cd dify/docker/
$ pwd
/home/hogehoge2/dify/docker
Difyコンテナ起動
「git clone」を実行したディレクトリに、「dify/docker」ディレクトリが作成されています。
その中に「.env.example」のサンプル環境変数ファイルが作成されています。
通常ファイルは「ls」コマンドで確認できますが。「.」で始まるファイルは表示されません。
その場合「ls -la」コマンドを実行すると、表示されます。
コピーは「cp <オリジナルファイル名> <複写ファイル名>」で複写できます。
「.env.example」ファイルを、正式な環境変数「.env」としてコピーし、「docker compose」コマンドで、コンテナを起動させます。
$ pwd
/home/hogehoge2/dify/docker
$ cp .env.example .env
$ docker compose up -d
[+] Running 80/80
✔ web Pulled 149.7s
✔ sandbox Pulled 221.1s
✔ ssrf_proxy Pulled 88.2s
✔ db Pulled 224.4s
✔ worker Pulled 402.2s
✔ plugin_daemon Pulled 404.6s
✔ nginx Pulled 36.4s
✔ weaviate Pulled 225.1s
✔ redis Pulled 221.2s
✔ api Pulled 402.2s
[+] Running 12/12
✔ Network docker_default Created 0.1s
✔ Network docker_ssrf_proxy_network Created 0.0s
✔ Container docker-web-1 Started 3.7s
✔ Container docker-ssrf_proxy-1 Started 4.0s
✔ Container docker-sandbox-1 Started 3.7s
✔ Container docker-redis-1 Started 3.7s
✔ Container docker-weaviate-1 Started 3.7s
✔ Container docker-db-1 Healthy 10.7s
✔ Container docker-worker-1 Started 9.3s
✔ Container docker-plugin_daemon-1 Started 9.3s
✔ Container docker-api-1 Started 9.5s
✔ Container docker-nginx-1 Started 10.0s
docker compose upでエラー発生!AIに聞いてみる。
上記は正常な例ですが、古いPCをテストマシンとして利用した時、「docker compose up」で下記エラーがでた事がありました。
dependency failed to start: container docker-db-1 is unhealthy
この時もgeminiに聞いてみたところ、「docker logs docker-db-1」でログを確認してくれとの事なので、ログを直接貼り付けると、

ログを見る限り、データベースの初期化自体は正常に完了しています (PostgreSQL init process complete; ready for start up.
)。 その後の起動プロセスも進んでいますが、2025-04-29 00:02:07.998 UTC [557] FATAL: the database system is starting up
という致命的なエラーが出力されています。
このエラーは、PostgreSQLサーバーが起動してリカバリなどの内部処理を行っている最中に、外部からの接続要求(この場合はおそらくDockerのヘルスチェックや、依存するDifyコンテナからの初期接続試行)があった場合に発生することがあります。
つまり、データベースサーバー自体は最終的に database system is ready to accept connections
の状態になりますが、Dockerのヘルスチェックがサーバーの準備が完全に整う前に接続を試み、上記の FATAL
エラーを受け取ってしまい、それが原因でコンテナが unhealthy
と判定されている可能性が高いです。
解決策:
Dockerのヘルスチェック設定を調整し、データベースが完全に起動して接続可能になるまで、チェックを待つように設定を変更するのが最も有効な対策です。
データベースサービス (db または postgresql) の healthcheck
設定を見つける: services
のセクションにある、データベースコンテナに対応するサービス定義(通常は db
という名前)を探します。その中に healthcheck
というブロックがあるはずです。
YAMLservices:
db: # ... その他の設定 ...
healthcheck: # ここに設定があります
・ test: ["CMD-EXEC", "pg_isready -U <db_user> -d <db_name>"] # 例
interval: 10s
timeout: 5s
retries: 5
start_period: 30s # <-- この値を調整します
docker-compose.yml
を開く: Difyを起動するために使用している docker-compose.yml
ファイルをテキストエディタで開きます。

docker-compose.yamlを確認した所、「start_period:
」の設定がありません。

start_period
が指定されていない場合、コンテナが起動を開始すると同時にヘルスチェックが始まります。今回のデータベースのログで見たように、起動直後の一時的な準備期間中に接続を試みると FATAL: the database system is starting up
のようなエラーが発生することがあります。
interval: 1s
と非常に短い間隔でチェックが実行されるため、データベースが完全に準備できる前に多くのチェックが走ってしまい、すぐにリトライ回数(retries: 60
)を使い果たして unhealthy
と判定されてしまう可能性が高いです。
解決策:
start_period
を追加し、必要に応じて interval
も調整しましょう。
healthcheck
設定にstart_period
を追加する: データベースが起動して準備ができるまでの猶予期間として、start_period
を設定します。
例えば30s
または60s
(30秒または60秒) を指定します。
YAMLservices:
db: # ... その他の設定 ...
healthcheck:
test: [ 'CMD', 'pg_isready', '-h', 'db', '-U', '${PGUSER:-postgres}', '-d', '${POSTGRES_DB:-dify}' ]
interval: 5s # 例: 毎秒ではなく5秒ごとにチェックに緩和
timeout: 3s
retries: 10 # 例: リトライ回数を調整 (intervalを長くすればretriesは少なくても良い)
start_period: 60s # <- この行を追加 (例: 60秒待つ)
ポイント:start_period
の間は、ヘルスチェックが失敗してもコンテナはstarting
状態のままとなり、unhealthy
とは判定されません。start_period
が経過した後に初めて、ヘルスチェックの失敗がunhealthy
の判定に使われます。interval
も少し長めにすることをお勧めします:interval: 1s
は開発時などに素早く確認したい場合には便利ですが、本番に近い環境や安定性を重視する場合は5s
や10s
に設定することが一般的です。これにより、データベースへの不要な負荷も軽減されます。docker-compose.yml
を保存する。- Docker Compose を再起動する: 変更を反映させるために、コンテナを再作成して起動します。
アドバイス通りに、編集して再度「docker compose up -d」を実行すると、正常になりました。
いやぁ~、AIさまさま、ですね~
おそらく、ネット検索では、解決できなかったと思います。
ただし、古いPCだったのが、一番の原因かもしれません。
5年ほど前のPCでは、このエラーはでなかったので、レアなケースかもしれませんが、AIの利用例として紹介しました。
Dify起動
初期画面
「docker compose up」が正常に終了すると、Webブラウザで「http://localhost/install」へアクセスすると「dify」の初期設定が開きます

Difyの動作と試用
とりあえず、起動しました。
以前このサイトでも説明していますが、簡単なチャットボットを作成し試してみます。
LLMモデルはオンラインの「gemini」を登録し、動作を確認できました。
オンラインであれば、「LM Studio」や「Ollama」など、ローカルLLMを利用するアプリは必要ないので、すぐに確認できます。

Difyを自動起動
Difyを動作させるには、Dockerが起動していなくてはいけません。
それには、WSL上で、ubuntuも起動している必要があります。
手動でやる場合、
・windowsターミナル起動
・wslコマンドで、ubuntuターミナル起動
・ubuntuターミナルでカレントディレクトリを、Difyのクローンディレクトリに移動
・「docker compose up -d」 コマンド実行
このような手順が必要ですが、問題なのは、ターミナルを閉じるとdockerも終了してしまうことです
Difyを使うには、dockerが起動していなくてはいけません。
windowsアプリの「docker desktop」であれば、標準で自動起動設定だったと思いますし、起動後もシステムトレイのアイコンで起動が確認できます。右ボタンで状態確認や終了も簡単です。
ubuntu経由の場合には、GUIでの確認ができないので、ここが面倒なところですね~。
自動起動方法をいろいろ調べると、windowsバッチファイルを作成し、スタートアップフォルダに登録する事で、windows起動時に、自動起動できそうです。
ただ、
「コマンドプロンプト ⇒ ubuntuターミナル ⇒ docker」
のタスクが必要で、ターミナルは開いた状態にしておく必要があります。
このようなバッチファイルを作りたいですが、どんなコードにすればいいのか・・?
うまいコードを考え付かなかったので、difyの試しもかねて起動しているチャットボットで設定しているgeminiに考えてもらいました。
@echo off
title Starting Dify via WSL
echo Starting WSL and navigating to ~/dify/docker...
echo Running 'docker compose up -d'...
echo WSL window will remain open after commands.
REM WSLを起動し、bashシェル内でコマンドを実行します。
REM cd ~ : ホームディレクトリに移動 (念のため)
REM cd ./dify/docker : dify/docker ディレクトリに移動
REM docker compose up -d : docker compose をバックグラウンドで起動
REM exec bash : 上記コマンド実行後、インタラクティブなbashシェルを開始して終了させない
wsl.exe -e bash -c "cd ~/dify/docker && docker compose up -d && echo '--- Dify containers started (or attempted to start) ---' && exec bash"
echo WSL window launched. This batch window can be closed if desired.
REM pause REM Optionally uncomment this line to keep the batch window open until a key is pressed
すごいです。
ほとんど実際の起動には影響がない「REM」や「echo」文がほとんどですが、
「REM」文を使っての説明文や、「echo」での実行中のメッセージにも手抜きがないですね!
このコードをコピーしてエディターで、「start_dify.bat」というファイルで保存しました。
バッチファイルの単独実行では問題ありませんでした。
後はこのファイルのショートカットを、スタートアップフォルダへコピーするだけです。
・上記の作成したバッチファイルを、適当は場所へ保存します
私は、ユーザーフォルダ「C:\Users\「ユーザー」」へ保存しました。
・次に、このファイルのショートカットを作成します。
・このショートカットを「スタートアップフォルダ」へ保存します。
スタートアップフォルダは、エクスプローラーのアドレスバーへ「shell:startup」と入力すると開くことができます。

特に必須ではないですが、ターミナルは起動状態にさせるので邪魔になる場合、作成したショートカットファイルを、マウス右ボタンで「プロパティ」を開きます。
「プロパティ」の「ショートカット」タブの「実行時の大きさ」を「最小化」に設定すると、起動時にタスクバーに最小化状態で起動できます。
これで、再起動すると、自動起動したターミナルはタスクバーへ最小化状態ですが、環境によっては起動途中の場合があるので、すぐに使用したい場合には、一度開いてDockerの状態を確認したほうがいいと思います。
正常に起動できると、Webブラウザのアドレスバーに「http://localhost/install」でdifyが起動できます。
場合によっては、「http://localhost/signin」にリダイレクトされる場合もあります

この画面が開くと、ローカルPCでは、Difyを利用する事ができますが、今回はサーバーとして利用したいので、LAN上の別のPCからのアクセスも必要です。
Difyをサーバー化して、他のPCからもアクセスさせる
同じLAN上であっても、「localhost」では、他のPCではアクセスできません。
前回後半で少し話題にしましたが、「windowsホスト」「WSL(ubuntu)」「Docker」と複雑な通信環境なので面倒です。
DifyPCのIPアドレス調査
IPアドレスは、windowsターミナルでは「ipconfig」コマンド
WSLターミナルでは、「ip addr」で確認できます。
この情報を、Aiに添付して聞いてみました。

詳細な情報ありがとうございます!ipconfig と ip a の結果から状況がより明確になりました。
原因の特定
・Windows ホスト:
あなたの Windows PC の Wi-Fi アダプターには 192.168.0.94 という IP アドレスが割り当てられています。
これはご自宅などの LAN 内の IP アドレスです。
・WSL (Ubuntu):
Windows Subsystem for Linux (WSL) 環境内の Ubuntu には、eth0 インターフェースに 172.31.226.6 という IP アドレスが割り当てられています。
これは WSL が使用する仮想ネットワーク内の IP アドレスです。

WSL2 環境で Docker コンテナを動かしている場合、Windows ホストからそのコンテナ内のサービスにアクセスするには、通常以下のいずれかのアドレスを使用します。
1.localhost:
Windows ホストのブラウザで http://localhost/chat/…と入力する。
WSL2 は localhost 経由でのポートフォワーディングをサポートしています。
(これが最も一般的な方法です)
2.WSL の IP アドレス: http://172.31.226.6/chat/…
(今回アクセスできている方法)
・http://192.168.0.94/chat/… でアクセスできないのは、WSL2 と Docker のネットワークアーキテクチャ上、自然なことです。
サービスが Windows ホストの物理的な IP アドレスに直接公開されているわけではないためです。
・もし、LAN 内の他の PC (例: 192.168.0.100) からもこの Dify 環境にアクセスしたい場合は、追加の設定が必要になる可能性があります:
1.Windows ファイアウォールの設定: Windows のファイアウォールで、外部からのポート 80 (または Dify が使用しているポート) への着信接続を許可する必要があります。
2.ポートフォワーディング (状況による): WSL2 のネットワーク設定によっては、Windows ホストの 192.168.0.94 のポート 80 へのアクセスを、WSL の 172.31.226.6 のポート 80 へ転送する設定が必要になる場合があります。
これは 「netsh interface portproxy」 コマンドなどで設定できますが、まずは localhost や WSL の IP でアクセスできることを確認するのが先決です。
要約:
・Windows ホストからアクセスする場合: http://localhost/chat/… または http://172.31.226.6/chat/… を使用してください。
・http://192.168.0.94/chat/… でアクセスできないのは仕様であり、問題ではありません。
Windowsのアドレスからは、アクセスできない。

http://localhost や http://172.31.226.6 からはアクセスできています。
今回は、LAN上の別のPCからhttp://192.168.0.94 にアクセスしたいため、自分PCで試したら、アクセスできませんでした

なるほど、LAN上の他のPCからアクセスできるようにしたい、ということですね。承知いたしました。
ご自身のPC (192.168.0.94
) から http://192.168.0.94/chat/...
にアクセスできなかったのは、まさにその設定がまだされていないためです。Windowsホストのネットワーク(192.168.0.x
) と WSL内部のネットワーク (172.31.x.x
) は分離されており、外部(LANを含む)から直接WSL内のサービスにアクセスするには、「ポートフォワーディング(ポート転送)」という設定が必要になります。
設定手順
以下の手順を管理者権限で実行してください。
- Difyが使用しているポートを確認 (重要):
- まず、DifyがWSL内でどのポート番号で待ち受けているか確認します。HTTPなので通常は 80番 ですが、Dockerの設定によっては異なるポート(例: 3000番など)がホスト(WSL)に公開されている場合があります。
- Docker Composeを使っている場合は
docker-compose.yml
ファイルのports:
セクションを確認してください。例えばports: - "80:80"
やports: - "3000:80"
のようになっています。左側の数字がWSL側で公開されているポート番号です。 docker ps
コマンドを実行しても確認できます。PORTS
列に0.0.0.0:80->80/tcp
や0.0.0.0:3000->80/tcp
のように表示されます。0.0.0.0:
の後の数字がWSL側で公開されているポート番号です。- 以降の説明では、Difyがポート
80
を使用していると仮定します。もし異なるポート(例: 3000)だった場合は、コマンド内の80
をその番号に読み替えてください。
- Windows ファイアウォールでポートを開放:
- LAN内の他のPCからのアクセスを許可するために、WindowsのファイアウォールでDifyが使用するポート(ここでは80番)を開ける必要があります。
- 管理者としてPowerShellを開き、以下のコマンドを実行します。
powershell New-NetFirewallRule -DisplayName "Allow Dify Access from LAN" -Direction Inbound -LocalPort 80 -Protocol TCP -Action Allow
(もしコマンドプロンプトを使いたい場合は、管理者として開きnetsh advfirewall firewall add rule name="Allow Dify Access from LAN" dir=in action=allow protocol=TCP localport=80
を実行)
- ポートフォワーディングの設定:
- Windowsホスト (
192.168.0.94
) のポート80に来た通信を、WSL (172.31.226.6
) のポート80に転送するように設定します。 - 管理者としてPowerShell(またはコマンドプロンプト)を開き、以下のコマンドを実行します。
powershell netsh interface portproxy add v4tov4 listenport=80 listenaddress=0.0.0.0 connectport=80 connectaddress=172.31.226.6
listenport=80
: Windows側で外部からの接続を待ち受けるポート番号。listenaddress=0.0.0.0
: Windowsの全てのIPアドレス(192.168.0.94
を含む)で待ち受ける設定。特定のIP (192.168.0.94
) だけを指定することも可能です。connectport=80
: 転送先のWSL内でDifyが待ち受けているポート番号。connectaddress=172.31.226.6
: 転送先のWSLのIPアドレス。
- Windowsホスト (
- 動作確認:
- 設定後、まずご自身のPCのブラウザから
http://192.168.0.94/chat/84aj9r6azPSYjXt8
にアクセスできるか試してください。 (ポートが80以外の場合はhttp://192.168.0.94:ポート番号/chat/...
のように指定) - アクセスできれば、LAN内の他のPCからも同じアドレス (
http://192.168.0.94/chat/...
) でアクセスできるはずです。
- 設定後、まずご自身のPCのブラウザから
注意点:
- WSLのIPアドレスの変動: WSLを再起動すると、WSLのIPアドレス (
172.31.226.6
) が変わる可能性があります。もしアクセスできなくなった場合は、ip a
コマンドでWSLの新しいIPアドレスを確認し、手順3のポートフォワーディング設定を一度削除して再作成する必要があります。- 削除コマンド:
netsh interface portproxy delete v4tov4 listenport=80 listenaddress=0.0.0.0
- 再作成コマンド: (新しい
connectaddress
を指定して再度実行)
- 削除コマンド:
- 管理者権限: ファイアウォールとポートフォワーディングの設定には管理者権限が必要です。
- ポート番号: Difyが使用しているポート番号を正確に確認し、コマンド内の
80
を適宜修正してください。
この手順で、LAN内の他のPCからアクセスできるようになるはずです。試してみてください。
docker ps コマンドで実行中のコンテナーを提出

docker ps では下記になっています。
$ docker ps
・・
・
・

docker ps
の出力結果、ありがとうございます。
コンテナ docker-nginx-1
の PORTS
列にご注目ください。
PORTS
0.0.0.0:80->80/tcp, [::]:80->80/tcp, 0.0.0.0:443->443/tcp, [::]:443->443/tcp
これは、以下のことを意味しています。
0.0.0.0:80->80/tcp
: WSLホスト(172.31.226.6
など)の ポート 80 (HTTP) へのTCP接続を、docker-nginx-1
コンテナ内部のポート 80 に転送する。[::]:80->80/tcp
: 上記のIPv6版。0.0.0.0:443->443/tcp
: WSLホストの ポート 443 (HTTPS) へのTCP接続を、docker-nginx-1
コンテナ内部のポート 443 に転送する。[::]:443->443/tcp
: 上記のIPv6版。
docker-web-1
コンテナ自体は内部的にポート 3000 を使っていますが、外部(WSLホスト)からのアクセスは docker-nginx-1
コンテナがポート 80 (HTTP) と 443 (HTTPS) で受け付けています。Nginx がリバースプロキシとして動作し、リクエストを docker-web-1
や docker-api-1
などに振り分けている構成です。
結論
あなたが LAN 上の他の PC からアクセスしたい HTTP のポート番号は 80 です。
したがって、先ほどのポートフォワーディング設定のコマンドは、ポート番号 80
を使って実行してください。
- ファイアウォール開放 (ポート 80):
New-NetFirewallRule -DisplayName "Allow Dify Access from LAN (HTTP)" -Direction Inbound -LocalPort 80 -Protocol TCP -Action Allow
- ポートフォワーディング設定 (ポート 80):
powershell netsh interface portproxy add v4tov4 listenport=80 listenaddress=0.0.0.0 connectport=80 connectaddress=172.31.226.6
これで、 http://192.168.0.94
(ポート80は省略可能) でアクセスできるはずです。
もし将来的にHTTPS (https://192.168.0.94
) でアクセスしたい場合は、同様にポート 443
用のファイアウォールルールとポートフォワーディング設定を追加する必要があります。
ファイヤーウォールとポートフォワーディング設定
ファイアウォールを開放し、ポートフォワーディング設定をしろ、のアドバイスです。
教わったコードを実行してみます。
1.ファイアウォール開放 (ポート 80):
PowerShell
PS C:\Users\hoge2> New-NetFirewallRule -DisplayName "Allow Dify Access from LAN (HTTP)" -Direction Inbound -LocalPort 80 -Protocol TCP -Action Allow
コントロールパネル→システムとセキュリティ→windows Defender ファイアウォール→詳細設定
受信の規則で
コマンドで指定したAllow Dify Access from LAN(HTTP)が設定されているのが、確認できます。
コマンドではなく、この画面で、GUI設定する事もできます。

2.ポートフォワーディング設定 (ポート 80):
管理者権限のPowerShell の、「netsh」コマンドで設定します。
PowerShell(管理者)
PS C:\Users\hoge2> netsh interface portproxy add v4tov4 listenport=80 listenaddress=0.0.0.0 connectport=80 connectaddress=172.31.226.6
「netsh interface portproxy show v4tov4」で確認できます。
PS C:\Users\hoge2> netsh interface portproxy show v4tov4
ipv4 をリッスンする: ipv4 に接続する:
Address Port Address Port
--------------- ---------- --------------- ----------
0.0.0.0 80 172.31.226.6 80
アクセスできた~
これで無事に「http://192.168.0.94/instal」でアクセスできました。
LAN上の別のPCからも、アクセス確認できました。
おそらく、ネット検索では、ここまで的確なアドバイスを見つけるのは至難の業だと思います。
ちょっと前までは、言語生成AIをうまく使うには、プロンプトが重要だと言われていましたが、最近の言語生成AIはかなり言語の理解力が向上していると感じます。
上記のじじぃの質問でもわかりますが、ほとんど「プロンプト」など意識していません。
とにかくわからない事やPCからの出力を、自分の言葉で質問しているだけです。
それでもかなり的確な回答をくれます。
たまには、間違った回答もありますが、それでエラーが発生した場合、そのエラーやログをそのまま突っ込めば、新たな回答をくれます。
すごい時代になりました。
DifyにLLMを設定して、カスタムチャット環境を構築
やっとDifyサーバーが起動できました。

次に、このDifyにLLMモデルを設定することで、チャットボットをはじめカスタムLLMアプリを開発する事ができるようになります。
左図の例では、
一番上の「Gemini」はオンラインで公開されているLLMです。
二番目は、「LM Studio」でダウンロードしたローカルLLMです。
三番目は、「Ollama」で読み込んでいるローカルLLMです。
このように、「Dify」ではオンライン、ローカルあまり意識せず、使用するLLMを自由にカスタマイズできます。
DifyにLLMの設定方法
ネット上でも、多くの情報があると思いますが、このサイトでも以前の記事で紹介しています。
オンラインLLMの登録
LM Studio モデルの登録
Ollama モデルの登録
あとがき
Windowsアプリ「Docker Desktop」を使わず、「Ubuntu」にインストールした「Docker Engine」で「Dify」をサーバー化する方法を紹介しました。
「Docker Desktop」はWindows環境向けのツールであり、構築の手間は比較的少ないですが、Ubuntuサーバー上で動作させる際は、仮想化環境の設定やネットワーク通信の複雑さが生じるため、トラブルシューティングがやや難しくなります。
今回は、AIのアシストにより、Difyサーバーを構築することができました。
設定プロセスだけでなく、AIを活用した実践例として、このやり取りもご参考にしていただければ幸いです。
コメント